薬剤師ができるまで:よーく考えよ~♪ 大学選びは大事だよ~♪
当然ですが、薬剤師になるためには薬学部に入学しなければなりません。
約10年前までは薬学部に4年通って卒業すれば国家試験を受験することができましたが、今は6年間通わなければなりません。
その延長された2年間で何をやっているのかは追々話すとして。
薬剤師になるためには入学する大学選びがポイントです。
大学を選ぶべきポイントはいくつかありますが、最も大事なのは
国家試験の合格率
です。
いくら偏差値の高い薬学部に入っても、最終的に国家試験に合格しなければ「ただの人」です。
そしてタチの悪いことに「高偏差値の大学=国家試験合格率がよい」という等式が必ずしも成り立たないのが薬学部の恐ろしいところです。
高偏差値の大学に通う学生は一般的に地頭が良いです。
放っておいても勉強する人はちゃんと合格します。
なので国家試験対策授業が殆どないという大学があるとか。
加えて研究や卒論で6年秋まで拘束されて、ロクに対策できないまま国家試験に特攻して玉砕、という本末転倒な結果になるケースがあるのだとか……
逆に偏差値的には中堅~下位クラスの大学だと、研究と卒論は遅くとも6年生の夏までに終わらせてそこから先はみっちり予備校講師を招いた国試対策授業や模擬試験を数多く受けさせます。
なので意外と国家試験合格率が高くなる傾向にあります。
第105回薬剤師国家試験 大学別合格者数
https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/000490577.pdf
実はこの表にも問題点とカラクリがあるんですが、参考までにご参照ください。
大学選びの際は国家試験対策をどれくらいやっているのかをオープンキャンパスなどで聞いておいた方がよいかと思います。
では国立大学の場合はどうでしょうか。
学費は私立の1/3~半額。
6年通うとなると学費は雲泥の差です。
保護者としては国立に行ってもらいたいのが本音でしょう。
しかし、そもそも国立大学に入学してしまうと薬剤師になれない可能性があります。
それは何故か。
国立大学によっては途中で成績順や希望進路で4年制と6年制に振り分けられることがあるからです。
「研究者になりたいから薬剤師資格はイラネ」という人は4年制に進みますが、薬剤師資格を取りたい人は絶対に6年制コースを選択しなければなりません。
大学側は「国立大学だから研究者になる学生が多いだろうから6年制なんて人気ないだろう」と思っていたみたいですが、蓋を開けてみればむしろ薬剤師免許が取れる6年制コースが大人気だったというオチ、だったと。
さて、そんな状態だと何が起こるか。
入学後も限られた6年制コースの枠を勝ち取るための順位争いをめぐるサバイバルが繰り広げられるわけです。
友人曰く、
「毎日が血で血を争うサバイバル状態だった」
「メンタル的に病んで休学した人もいた」
と……
というわけで、入学後の激しいサバイバルに勝ち残れる自信はないけど、薬剤師になりたい方は私立大学の6年制コースを選んでおくことをお勧めします。
大晦日なので来年の目標を書いてみる
年の瀬ですねぇ。
どうも、「ぬこっち@なれの果て」です。
今年はコロナで始まりコロナで終わる年になりましたね。
自分が働いているところも患者さんが激減しました。
皆様いったい何処に消えたんでしょうか。
糖尿病や高血圧などの持病があるご年配の方はリスクが高いと論文やレポートが出てるんですが、そっちの治療はしなくて大丈夫なのでしょうか。
それはそれとして。
2021年がやってきます。
せっかくなので個人的な目標を列挙しておきます。
来年末、できてなかったら後ろ指さしてやってください(笑
・認定薬剤師の更新、新規取得
無事に薬剤師になっても勉強が終わるわけではありません。
がんや糖尿病、妊婦・授乳婦、精神科等の各種専門分野の認定薬剤師があり、
更なる高みを目指す人や給料を上げたい人は各種認定薬剤師を取得します。
自分も3つほど持っているのですが、来年が同時に更新期間となるため、
現在必死に単位と症例収集、レポート作成してます。
認定薬剤師の話は追々詳しく説明していきたいなと。
・専門分野の勉強
薬剤師は一部の登録が必要な薬を除けば全ての処方薬が調剤可能です。
なので薬剤師は全ての疾患や薬について知っている……
と思ったら、大間違い(笑
特に調剤薬局の薬剤師だと、処方箋を出している先生の診療科の薬しか出さないため、薬剤師もそれに引っ張られ、得意分野と苦手分野ができてしまうのです。
ただそれを逆手にとって、その専門分野の認定薬剤師を取る人もいます。
自分もあまり他の薬剤師がやらないけどそこそこメジャーな領域を見つけて勉強していきたいなと思います。
・投資(金銭的な意味で)を始める
我が家はテレビがないため、最近はもっぱらYoutube見てます。
その中でよく見ているのは両学長とぽんちよさんのチャンネルです。
お二人の金融知識の豊富さとプレゼン力は聞いているだけでも勉強になります。
見たことない方はリンクから是非見ていただきたいなと。
私も借金まみれの不惑薬剤師のため今後が不安で仕方ない(汗
そこで、自分も来年1月からつみたてnisaから始めてみることにしました。
どの程度の成績になるかは適宜成果報告会でもしようかと思っています。
皆様、2020年はいかがな年だったでしょうか。
早くコロナが収束してある程度の自由が謳歌できる時代が戻ってくるといいですね、
当ブログでも一薬剤師の視点から何らかの有益な情報を発信できればと思います。
では、よいお年を!
ぬこっち@夜勤疲れでさっきまで寝てた
はじめに:一人の薬剤師のなれの果てが何か呟いている
どうも皆様、はじめまして。
「ぬこっち@なれの果て」と申します。
普段は「薬剤師」という職業でその日暮らしをしております。
皆様、薬剤師にどのようなイメージを持っているでしょうか?
薬を払い出す人?薬を説明してくれる人?
薬局に処方箋持っていったら薬用意してくれる人?
医者のいいなり?
そもそも「何してる人かイマイチよーわからん」って人も多いかもしれませんね。
その昔、自分自身も薬剤師になるために色々とネットサーフィンしたものです。
でも、いくら調べても出てこないんですよね、情報が。
どうやったらなれるのかもわからんし、実際の大学生活もようわからん。
しかもいつの間にか大学に6年間通わなければ薬剤師になれなくなっていたという。
6年は長く険しい修羅の道っすよ、いやマジで。
自分は長く苦しい氷河期底辺生活からゾンビの如く黄泉がえり、
ノリと勢いと借金(またの名を奨学金)でとある薬学部に入学はできたものの、
何の準備もしていなかったため6年間の大学生活という魔境に放り込まれるのが不安で仕方なかった記憶しかないです。
今だとtwitterやFacebook等個人が情報発信可能なツールがありますが、
昔は「某巨大掲示板」や「知恵袋」等の口コミ情報からエビデンスの高そうなものを取捨選択していましたからね(笑
で、これは実際に薬剤師になっても感じているんですが。
薬剤師は情報発信力が弱すぎる。
これに尽きると思います。
情報発信しないが故に、一般市民には何しているのかわからん職業と思われている。
仮に薬剤師に興味を持ってくれた一握りの青少年たちにも、
・どうやればなれるのか
・なるためにどういう勉強をしているのか
・どのようなやりがいや理想とのギャップがあるのか
・仕事内容とお給料はぶっちゃけいくらか
等の夢(と現実←これ重要)を伝えることすらせず機会損失していると感じています。
というわけで、このブログでは薬剤師について
・薬剤師の皆様
→薬剤師の現場で起こっているリアルをちょっぴり誇張しつつ共有して、
明日への業務に生かしてもらう
・薬剤師になりたい・なってみたい人
→薬剤師になるために必要な学問・薬学部生活などを赤裸々に明かし、
その幻想をぶち壊……さないようにすることを以て薬剤師を目指す人を増やす
この二本を柱に情報発信していきたいと思います。
既に薬剤師として働いている皆様には現場で使える何かしら有益な情報を、
これから薬剤師になりたい方には現場のリアルを知っていただき、夢と現実のギャップを少しでも埋めた状態で薬剤師を目指してもらえるような情報を提供していきたいなと思います。
ちなみに私が薬剤師を目指すと決めたときに最初に読んだ書籍がコチラ。
著者の方は6年制の1期生なのでやや情報は古めですが、
マンガで読みやすく、薬学生や薬剤師あるあるも随所に散りばめられているのでとっかかりとしてはおススメです。
まだ読んでいない方は是非読んでみて下さい!